ホ・ロゴス 2022年 春号
2022年4月8日発行
全ての盲人に福音を!
センター理事 小谷和海
「主は見えない人の目を開き 主はうずくまっている人を起こされる。」詩編146編8節
約50年前、私は山梨大学の工学部4年の時に、その当時通っていた教会の掲示版に盲人伝道センターの働きを紹介するキリスト教誌の記事が目に留まりました。
このような働きがあるのかと、何故かその記事が鮮明に私の記憶に残りました。
まさか、20年後に改革派静岡教会の教会員となり、4年後青山輝徳先生ご夫妻と拙宅での家庭集会(島田集会)を持つことになるとは夢にも思いませんでした。島田集会で青山先生から教えて頂いた創世記の学びは生涯忘れることはありません。大変充実した学びの時でした。そして50年後の今も盲人伝道センターの監事として係わり続けていることに不思議な思いを抱きます。
20年前、静岡教会の教会員だった頃、この働きは一体どのような働きなのか。他の教会員の方々と討議したことがありました。そして行きついた言葉は青山先生の仰っていた「全ての盲人に福音を、キリスト教良書を」の言葉です。
明確な理念と目的を持った事業体は、永続的にその事業を推進できると言うビジョナリー・カンパニーの考え方があります。
50年以上この働きを続けることができたのは「全ての盲人に福音を、キリスト教良書を」と言う明確な理念と目的を持ったメッセージがあるからだと思っています。
青山先生は大学生の時に庭に落ちた焼夷弾により全盲となり失望の中でキリスト教に導かれ、牧師となりました。その困難な状況の中で神学書等の点字が全く無く、盲人に取って読みたくても読む事のできない中で大変な苦労をされて学ばれた青山先生自らの体験、その読みたい、知りたいと言う強い思いが盲人伝道センターの働きを起こされたと思っています。
拙宅の家庭集会時に青山先生が語った次の言葉は強く印象に残っています。「新刊本のインクの匂いを嗅ぐ時に、その本を大変読みたいと思う」。盲人でしか感じることのできない思いだと深く記憶に残っています。
キリスト教盲人伝道センターは、直接キリスト教教会の盲人伝道に係わり、全ての盲人にキリスト教良書を通して福音を伝えるのが神様から託された使命だと思っています。
昨年、日本キリスト教団の東海教区の牧師から、最近教会に盲人の求道者が与えられ信仰告白等の点字が必要だと相談され、また盲人求道者の学びの為にデージー図書が必要だと相談され対応致しました。
是非、これを読まれている皆様の周りに居られる盲人の方々に声を掛けられ、教会に招き、盲人伝道に必要となる点字・音読に関して盲人伝道センターにご相談頂きたいと願っております。
教会に盲人を招くことにより教会は隣人への深い愛を示す教会に変えられていくと信じます。
理事会報告
理事長 遠山信和
今年度の静岡キリスト教盲人伝道センターの理事会は、2022年1月24日に行われました。新型コロナウィルス広がりが続く中で、静岡教会会堂にて参加された方々とともに、遠隔地の方々には、ZOOMで参加していただくという形をとりました。
開会にあたって、理事長である私が、「罪人を招くキリスト」と題し、マタイによる福音書9章9~13節から説教をいたしました。
センターは多くのボランティアの方々に支えられ、主の善き導きのもとに現在の働きがあることを、あらためて強く思わされております。
昨年度も、コロナウィルスの影響のもとで、業務時間を少し短縮させていただきました。また音訳講習会などを一部中止することもありましたが、基本的な業務はほぼ通常通り行うことが出来ました。スタッフが減少する中、業務に追われる一年でした。そのような中、ほとんど毎日ボランティアの方々がセンターに来てくださり、新しいボランティアも与えられ支えられましたことを感謝いたします。
改めて、全国で多くのご奉仕をして抱いている皆様に感謝申し上げます。
点訳通信講座(指導員:森平邦子長老)、及び音訳通信講座(指導員:三田村苗美姉)を開講しています。犬山音訳グループ虹の会のメンバーにより、岩波聖書の音訳が進められています。静岡音訳グループの勉強会(講師:伊縫智子理事)は2月から7月までと、11,12月に行いました。
昨年度は、・ホ・ロゴス春号(4月)をインターネット配信するとともに、ホ・ロゴス58号(2021/10月)9500部(全カラー紙面)で各教会にお送りいたしました。
今後は、さらに広報活動にも力を入れていきたいと思います。
センターを利用できるのは視覚障がい者のみであるという認識が一般的に在るかもしれませんが、著作権法が改正され、視覚障がい者の方々でなくても、お年寄りになって目が見えにくくなった方々などについてもセンターの音声データを利用していただくことが出来るようになっています。視覚障がい以外の方々にも利用できるということを、さらにアッピールしていきたいと思います。
盲婦人ホームは、廃業届を出し、現在は休止中ですが、2部屋はセンターの作業スペースとして使用しており、1部屋は利用規定を作成し、4月から望月千雅子理事が信徒説教者の学びの場として利用しておられます。
諸報告とともに昨年度決算及び今年度予算案も承認されました。昨年度もコロナウィルス禍にありましたが、諸教会の皆様がセンターの働きを覚えて献金をいただき、収支はわずかですが黒字で新しい年度を迎えることが出来ました。維持会員は以下の通りです。
維持会員
・維持会員の目標1万口(一口100円/月)
・教会 22教会 779口 (昨年度は26教会.1,940口)
・個人 20名 195口 (昨年度は26名.208口)
合計 :974口(1,168,800円/年)
引き続き一口100円/月からのセンター維持会員を募集しています。よろしくお願い致します。音訳ボランティアの方々が高齢化し、奉仕者が少なくなっている現状を踏まえつつ、どう図書を製作して行くのかが課題になっています。
主によって立てられたセンターの働きが、まことに主の御心を行うことが出来ますように、更によりよいサービスの提供ができますように、職員・スタッフ一同励んでまいります。皆様のお祈りとご支援をよろしくお願いいたします。
2022年度の理事は前年と変わらず以下の通りです。
理事長改選 遠山信和
理事改選 植田悟、三瓶忠克、島袋正直、田中敏信、吉田隆
理事継続 青山鶴江、伊縫智子、川島伊作、熊田なみ子、遠山百合子、望月千雅子
監事改選 小谷和海
*利用登録者数 408名
*登録ボランティア数 87名
2021年度貸し出しベスト3
*点字
『大草原の小さな家で ローラ・インガルス・ワイルダーの生涯と信仰』スティーブン・W・ハインズ著
『ハンディー・コンコルダンス 新改訳2017』いのちのことば社編
『コラールの故郷を訪ねて』小栗 献著
*音声デイジー
『聖書物語 旧約編』香山彬子著
『哀愁のプリマドンナ ジェニー・リンド物語』森重ツル子編
『赤い十字章 画家ベラスケスとその弟子パレハ』エリザベス・ボートン・デ・トレビノ著
2021年度 決算報告 (2021年1月~12月)
費目予算決算%の順です。
収入
献金:諸教派 1,600,000、1,971,577、123%
献金:改革派 4,700,000、3,941,345、84%
献金:静岡教会 380,000 、476,159、125%
雑収入 0、33,911
基金繰出 550,000、550,000
繰越 124,742、124,742
収入合計 7,354,742、7,097,734、97%
支出
事業費 2,101,000、1,889,966、90%
対外協力費 145000、128,000、85%
一般管理費 4,910,000、4,636,442、87%
繰越 0 438,915
予備費 198,742、4,411
支出合計 7,354,742、7,097,734、97%
2021年度 貸借対照表(2021.12/31現在)
資産の部
【流動資産】 12,896,360
現金 133,384
郵便振替 1,022,660
普通預金(静岡銀行) 390,865
普通預金(ゆうちょ銀行) 11,221,856
普通預金(大垣共立銀行) 127,595
【固定資産】 9,860,401
建物 9,527,227
器具・備品 333,174
【その他の資産】 1,628,604
中退共掛金 1,628,604
資産合計 24,385,365
負債基金の部
【一般基本金】 9,860,401
【流動負債】預り金 472,195
【固定負債】退職給与引当金 1,628,604
【基 金】 11,985,250
事業運営基金 6,233,313
建物基金 4,415,089
障碍者基金 1,036,848
センター準備金 300,000
繰越利益剰余金(経常会計・次年度繰越) 434,915
基金等合計 12,424,165
負債・基金合計 24,385,365
皆様の尊いご支援により1年間の活動が支えられ感謝します。
2021年度 ボランティア感謝報告 ボランティア ありがとうございます!
今年度、製作完成図書に関わって下さった方々です。
敬称は省略させていただきました。グループ活動のみの方は個人名を省略させていただきます。
【点訳】7名、3団体
【点写】2名
【音訳・音訳校正】41名、3団体
【デイジー編集】18名
【テキストデイジー】5名
【AI編集】1名
【テキスト取り込み】4名
【音訳指導・通信講座】2名
【点訳指導・通信講座】2名
【その他のボランティア】1団体
皆様の変わらないお働きとご協力を心より感謝します?
2021年度 献金感謝報告 (2021年1月~12月)
維持献金・ご支援献金を感謝いたします! (大変申し訳ございませんが敬称・回数は省略させていただきます。)
<個人> 155名、12教会維持
<教会・団体>
(AG)1教会、(JECA)1教会、(改革長老)1教会、(キリストの教会)1教会、(兄弟団)2教会、(聖書キリスト)1教会、(単立)4教会、、(ナザレン)1教会、(日キ教会)9教会、(日キ教団)22教会、(日本同盟)1教会、(日本バプ連合)1教会集会、(バプ同盟)2教会、(保守バプ)1教会、(ホーリネス)3教会 、(ヨハン)1教会、(無教会)1集会、(改革派)113教会、2団体
(団体)4団体
コロナ禍にありましたが、皆様からの尊いご支援をいただき、心より感謝いたします。
以上、感謝をもってご報告させていただきます。
2022年4月 静岡キリスト教盲人伝道センター
〒422-8041 静岡市駿河区中田1-5-21
℡054-285-0496 fax054-285-0746
Eメールアドレス shizumouden@dct7.net
ホ・ロゴス2021年10月号