ホ・ロゴス

すべての視力障がい者に福音を! キリスト教良書を!
ホ・ロゴス 55号 2018年10月

ホ・ロゴスとは、
ギリシャ語で「言葉」という意味。英語に言い換えると“ T h e W o r d ”
このタイトルは、静岡盲人伝道センター広報誌第2号(1969・11月発行) から使われ、ヨハネによる福音書の冒頭「初めに言(ことば)があった。
言は神と共にあった。」から引用された。視力に障がいを持つすべての人に福音を、という熱い祈りが込められている。

維持会員募集中!
当センター事業の維持・継続のために、皆さまのご入会をお願いしています。
維持会員への加入は、1 ヶ月一口100 円から受け付けます。詳しくはセンターへお問い合わせください。

魂の成長と変革のためのセンター
吉田 隆 (神戸改革派神学校校長・甲子園教会牧師)

昨年、宗教改革500周年の年に、思いがけず『五つの“ソラ”から「宗教改革」後を生きる』(いのちのことば社)という本を出版しました。同社のスタッフ研修会での講演を本にしてくださったものです。
この小著に、当盲人伝道センターの青山理事長が目をとめてくださり「音訳をしたい」とお声がけくださったので、手元にあった出版用の原稿データを早速お送りしました。
間もなく音訳完了との連絡を受けたのですが、その数日後のことです。電話がかかってきました。
細い低い声で「初めてお電話します。アラガキ・ツトムと申します…」。どこかで聞いたことのあるような名前だと思ったら、あの新垣勉さんではありませんか!私がまだ仙台にいた時分、東日本大震災後の被災者支援活動の一環で何度かコンサートで御奉仕くださり、お世話になったのでした。

「先生がお書きになったあの『五つの“ソラ”から』という本がとても良かったので、忘れないうちにお電話しました」とのことでした。わざわざ御丁寧にお電話をくださったことにも驚きましたが、盲人伝道センターの働きとはこういうことかと認識を新たにさせられた出来事でもありました。
目の御不自由な方は、こうして点訳や音訳等のプロセスを経て初めて、書物に接することができるのだという当たり前の事実。そして、そのようにセンターの蔵書に加えられる“新刊”を今か今かと待っておられる方たちがおられるということも。
私の拙著も、そうしてリストに加えられるやいなやお読みくださったのでしょう。語り口調で書かれた書物だったので、かえって読みやすかったのかもしれません。ちなみに、新垣さんは、神学の勉強をほとんどこのセンターの書物で(ということは改革派関係の神学書で)学ばれたとのことでした。


「メディア・リテラシー」という言葉があります。
インターネットを始めとするコンピューター等の様々な技術を利用して、その情報を活用する能力のことを指しているようです。
昨今の技術革新のおかげで、特に障がいを抱えている方々へのサポート能力が(未だ不十分とは
言え)著しく向上したことは、周知の事実です。
これは本当に天からの恵みであろうと思います。
当センターの技術と、それを用いて利用できる書物へと整えてくださっている皆様の御労苦が、多くの人々の魂の成長と変革のために用いられますように心より願っています。

センターはこんな働きをしています!

静岡キリスト教盲人伝道センターは、キリスト教図書専門の点字図書館です。視力に障がいのある方、また高齢や病気等で活字での読書が困難な方々のために、点字図書・録音図書の製作と貸し出しを行っています。インターネットの点字図書館・サピエ図書館に加盟し、製作完成データを提供しています。

神さまの愛を知るために
「愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。」(1ヨハネ4:7)昨今、子どもや障がい者、お年寄りなど弱者への虐待や犯罪が横行しています。
そんな時代だからこそ、私たちは神さまの愛に目を向けましょう。

◆『十戒に込められた神の愛』
古川第一郎著(2004年、いのちのことば社発行)CD1枚、点字3冊
守れないから自分はダメだと思い込んでいる人も多い「十戒」。
その思いが“厳しい戒め”から“天のお父様の愛のメッセージ”に変わります。悩めるクリスチャンにむけて、著者からの愛情あふれる一冊。
*古川第一郎(1949-2008):元日本キリスト改革派南越谷コイノニア教会牧師、キリスト教カウンセラー。ご自分も透析をしながら多くの悩める魂に慰めと癒しを送り続けた。

◆ 『カルバリの愛を知っていますか』
エミー・カーマイケル著(2004年、いのちのことば社発行)CD1枚、点訳中本当の愛の意味は何か理解するため、そしてその愛に生きるこ
とに役立つ断想。*エミー・カーマイケル(1867-1951):主にインドで婦人宣教師として働き、学校や孤児院なども創設した。このほかに、『や
みを照らすともしび』『主の道を行かせてください』『ミモサ』等の著書がある。

◆ 『被災地に立つ寄り添いびと』
立野泰博著(2014年、キリスト新聞社発行)点字5冊
「となりびと」は「よりそいびと」。東日本大震災・救援活動の中で共に寄り添った活動の記録。
*立野泰博(1960-):日本福音ルーテル教会牧師。教団事務局長の時、東日本大震災が起こり、リーダーとして被災地支援活動にあたられた。

貸し出し希望の方は、(Tel 054-285-0496 FAX 043-285-0746、
Eメール shizumouden@dct7.net)までお知らせください。

トピックス
■「 新聖書注解」 全巻デイジー図書完成!
1970年から1977年にかけていのちのことば社より出版された、この「新聖書注解」は、原語からの釈義を基に神学の学びに欠かせない注解書として今も人気があります。多くの方からリクエストをいただいていました。ようやく全巻のデイジー編集が完成。どうぞご利用下さい。

■ テキストデイジーを アップしました!
昨年よりテキストデイジーに取り組んでいます。今までに2タイトルをサピエ・ネット図書館にデータアップしました。CD合成音声版でも貸し出ししています。
『五つの“ソラ”から「宗教改革」後を生きる』 吉田隆著(いのちのことば社)『しなやかな心で生きる』 榊原寛著(いのちのことば社)
■ テキストデイジーとは? テキストデイジーとは、電子テキスト
(文字列)のみを構造化したデイジー図書(アクセスブルな情報システム)です。テキスト(文字)を合成音声で読み上げたり拡大することもできます。一般の電子書籍の読み上げとは異なり、音声デイジーと同様に、レベルやページをつける編集をします。当センターでは、主要なキリスト教用語に関しては、合成音声でも違和感なく聞こえるように手を加えて修正しています。
例えば、「主イエス」の「主」はそのままだと「ヌシ」と読み上げますが、編集時に「シュ」と修正します。

■ 表彰 おめでとうございます!
音訳 吉田京子様
デイジー編集 外岡多美枝様
鉄道弘済会による第48回朗読録音奉仕者顕彰(東海地区)にて、朗読地区表彰に吉田京子様、デイジー編集奉仕者表彰に外岡多美枝様が受賞されました。

活躍する盲人クリスチャン ⑪
神さまのすばらしいみ業が
宇野 繁博 さんSHIGEHIRO UNO (インマヌエル彦根キリスト教会員・滋賀県立盲学校教師)

25歳で失明、悲しみの中で
私は平成元年の25歳の時、目の難病により失明、人生に絶望しました。当時小学校の教員でしたが、これからはかわいい子ども達といっしょに勉強することができないと思うと、胸が張り裂けそうでした。悲しみと辛さのどん底の中、毎晩、布団に入ると涙が滝のように流れました。私は最も不幸な人間であり、人生は不条理だと思いました。
そんな私の姿を見て、母も共に涙を流してくれました。母の涙は、私にとって大きな慰めでした。ある時、母が次のように言いました。
「繁博。おまえがもし、目が見えないためにどうしても生きていけないと思うなら、かあちゃんといっしょに死のうね」。

教会との出会い
父は私を近くのキリスト教会に連れて行ってくれましたが、神様を信じることはできませんでした。しかし、35歳の時人間関係の問題で、再度教会を訪ねました。その教会の
牧師先生は、私の悩みを聖書のいう「罪」という言葉を用いて説明してくださいました。
「宇野さん。罪とは、自分を中心に生きることを意味しています。人間関係で悩んでいる宇野さんは、自分を中心に物事を考えていますね。それが罪なのです。それが人間関係を悪化させているのです。今日から、イエス・キリストを心の中心に迎えて人生を歩み始めませんか。豊かな人生が宇野さんに約束されていますよ」。

神さまのみ業を現わすために
(ヨハネ9章3節)
私は、それから聖書を読むようになり、教会へ通い、キリスト信仰を持ちました。
そして、クリスチャンの先輩が次の話をしてくれました。
「聖書の中に次のような話があります。生まれつきの盲人を見て、弟子たちが『どうしてこの人は生まれつき目が見えないのですか。本人が罪を犯したからですか、それとも、両親が罪を犯したからですか』とイエス様に尋ねると、イエス様はこう答えられたのです。『この人が罪を犯したからでもなく、両親のせいでもありません。神の業がこの人に現れるためです』(ヨハネ9・3)。宇野さんのこれからの人生にも神様のすばらしいみ業が現わされますよ。神様であるイエス様に希望をもって」。

生きる勇気と喜びが心に
このことさえなかったら…。あのことさえなかったら…といった泣きたくなるようなことは、誰の人生にもあるのではないでしょうか。しかし、聖書の言葉は、失明し暗く悲しい私の人生に光り輝く希望を与えてくれました。生きる勇気と喜びが心にわき上がってきました。そして、母が生きているときに、前述の聖書の言葉を私が知っていたら「かあちゃん。僕の失明を通して、僕の人生にも、かあちゃんの人生にも神様のすばらしいみ業が現わされるよ。楽しみだね。」と伝えたかったです。

写真:「沖縄で妻と」

盲人伝道センター 50周年記念感謝会のご案内

日時:2018年11月23日(金・祝日) 11時から15時まで
内容: 記念礼拝/会食/
木村りえ・りささんのピアノ演奏(全盲の双子姉妹)/交わり50年の歩みを感謝し、皆さまと主の恵みを賛美する集会を行います。
どなたでもいらしてください。多くの方のお越しをお待ちしています。
(参加希望の方は11月10日までにセンターまでお知らせください)

読者の声・奉仕者の声

キリスト教図書専門の図書館
蒔田麻耶(利用者・横浜市)
私は色々な図書館を利用している。その一つは点字図書館である。東京にある大きな点字図書館では 登録だけではなく視覚障がい者に必要な様々な用具を購入したりなどもしている。それから地域の公共図書館
にも登録していて図書の貸し出しも受けている。最近はサピエ図書館にも登録していて24時間好きなときに貸し出しを受けている。静岡の盲人伝道センターはその中でも一番小さい図書館だろうと思うが登録している。
私は牧師でも伝道師でもないけれども、子供のころから聖書を読むことにはとても貪欲なので、ことあるごとに点字の聖書を読んでいた。その
当時、点字の聖書は1冊の単価は安かったけれども、全巻揃えるとなると大きな本箱が必要だった。幸いにも私の家には置き場所があったので、まずは何がなくとも点字の聖書と思い祈っていたら、当時いのちのことば社と関わっていた信徒の方がくださった。それで点字データができるまで使用していた。最近はi Phoneを手に入れることができたので、これ幸いとばかりにYouVersionというアプリをインストールした。

私は長い間聖書を色々な訳で読みたいと思っていたが、そうすると何冊もの本を持ち歩いたりしなければならないし、ましてや保存する場所も必要と思っていたが、iOS機器はそれらの問題を解決してくれた。
YouVersionはアカウントを登録すればすぐに利用ができるし、日本語口語訳から新共同訳までが利用できる。それから、あらゆる種類の言語に対応しているので、それらを切り替えて使えばいいのだからこんなにありがたいアプリはない。iPhoneは、視覚や聴覚に障がいのある人たちのために画面を読ませるVoiceOverやズーム機能や文字を拡大する機能などあるので、使えるようになるととても便利だ。
センターにはきっと眼に見えない働きが沢山あると思うが、それらをきちんと見ておられる方はイエス様だと私は思う。

主に導かれて
上原菊子(点訳奉仕者・石川県)
点訳を始めて40年近くになります。
ある時新聞で「音訳」なる仕事があることを知り、漠然と社会福祉会館へ行ってみました。そして最初に入ったのが偶然にも視覚障碍者の部屋でした。居合わせた職員の方から、家庭の事情で長時間家を空けるこ
とが出来ない私の状況では、通信教育が可能な点訳をと勧められました。テキストの紙1枚を渡されて家へ帰ったものの、全く意味不明の文?らしきものが・・・電話で問い合わせたら、「左から読んでいるのでは?」(その頃は凹面読みで右側から読みました。)と云われて・・・、という状態からの出発でした。
それが今まで続けられたのは、いつも主が共にいて忍耐強く見守っていてくださるからだろうと嬉しくなる時があります。時々私は役に立っているのだろうかと思うこともありますが、必要なら主が役立ててくださるのだからと全てを主に委ねて私の出来ることをさせていただきたいと願っています。
改めて、ご利用者の皆様、何かとご指導・ご迷惑をおかけしていますセンターの皆様、そして共に良い点訳をと努力しているボランティアのかたがたに、心からの感謝を申し上げます。

ベッドの上でデージー読書
橋本 徹(利用者・静岡市)
最初に借りたのは三浦綾子の『母』でした。学生のころ読んだものをもう一度読みたいと思うにもかかわらず本のページも捲れないぼくにはテイジーでの読書は朗報でした。遠藤周作の『沈黙』も借りたことがあ
ります。これは自分にとっては特別な作品で従弟との卒業旅行に島原周辺を回るきっかけともなり、作中の踏絵も見ました。今年世界遺産にもなりましたね。デイジーのおかげでベッドでの生活を強いられてもなお
心豊かな日々を過ごしています。これからも好奇心の赴くままに沢山のものを読んでいきたいです。
*橋本さんは先天性脳性麻痺が進行して、ベッド生活を送っておられます。

編集後記
今年、センターは50周年を迎えます。献金で支えられた小さな図書館ですが、誠実にキリスト教の図書を集め続けてきました。戦争中不発弾の処理をしていて失明され、主に救われた創設者故青山輝徳先生の「すべての盲人に福音を!キリスト教良書を!」という熱い思いが込められています。50年を経た今でも、その熱い思いは絶えることがありません。(S)

献金感謝報告  (2017年1月~ 2018年6月)
維持献金・ご支援献金を感謝いたします!
(お名前は省略させていただきます。 )

静岡キリスト教盲人伝道センター 点字図書館ご利用案内
1.開館時間
・開館時間 月曜~金曜 午前9時から午後5時
* 時間外は留守電・faxまたはeメールで 受け付けています。
2.貸し出しについて
① 対象者
・視覚障害者手帳をお持ちの方
・ 文字での読書が困難な方
(高齢・病・その他の障がいのため)
* 日本全国が貸し出し対象です。
(インターネットでは海外も可)
* 郵送またはネット送信でご利用できます。
② 費用
・ 利用登録は無料です。
・ 視覚障害者手帳をお持ちでない方は、郵送料が自己負担になります。
③ 貸し出し期間
・ご自宅に届いてから1か月以内
・点字月刊誌は一週間以内
3.その他
・ 新製作図書情報「センター通信」(季刊)を
ご希望の方にお送りします。
* 事業運営のため、
お祈りと献金をお願いいたします。

視覚障がいとキリスト教点字図書館について
◆ 視覚障がい者の読書とキリスト教点字図書館 ◆視覚による情報を受けることの出来ない方にとって、活字の出版物がどんなに溢れていても、それが点字や音声等によらなければ読むことができません。従って視覚障がい者の読書は点字図書館が重要な役割を担っています。国内には一般図書を供えた公共の点字図書館は各地にありますが、当館はキリスト教図書専門の点字図書館です。

◆ 当点字図書館の特長 ◆当館は、一般図書館と次のような違いがあります。①キリスト教の良書を選定し、点字と音声に変換して図書を製作し所蔵する。②視覚障がい読者へ郵送による貸出しを行う。③これらの働きは職員のみならず、ボランティアの力が大いに必要です。ボランテ
ィア募集や育成は点字図書館の重要な仕事となります。

◆ 視覚障がい者への福音宣教に仕えるため ◆一冊の活字書から点字書・音声図書になるまでには、多くの時間と労苦により完成します。これらすべての活動は、盲人信徒・求道者の聖書の学び、信仰の集い、伝道、教会のグループ研究のためのテキストの提供、盲人牧師・神学生・教会役員の方々の学習や研究等、純粋に福音宣教に用いていただくために、公的援助を受けないで、宗教法人組織で運営しています。
皆さま方の深いご理解、お祈り、温かいご支援を心からお願いいたします。点訳・音訳などセンターの働きに関心を持たれた方は、遠慮なくお問い合わせ下さい。

ご支援ください

当センターの活動は伝道を目的とすることから、公的援助を受けないで、全て皆様からの尊いご支援により支えられています。点字図書・音訳図書制作、ボランティア育成のための研修費、維持費(人件費)などに用いられます。
事業維持のため、維持会員として、この働きをお支えください。

維持献金:月に一口100円から、ご自由に設定ください。
送金方法: 郵便振替と、ご指定口座から引き落としを行う「ワイドネット」がご利用できます。
(三菱UFJファクターが引き落とし代行を行います)
*詳しくは、当センターへお問い合わせください。

維持献金のほかに、自由献金も常時受け付けています。覚えてご協力いただければ感謝です。

郵便振替:00870-2-7003
口座名義:静岡キリスト教盲人伝道センター

ボランティアを募集しています
① 音訳 ② デイジー編集 ③ テキストデイジー編集
④ テキスト校正 ⑤ 点訳
*初心者の方には通信講座があります。いつでもお問い合わせください。ご自宅のパソコンで作業できます
作業ソフトは無料で貸与いたします。音訳のみマイクや調整機器が必要です。
ご希望があれば研修会も検討しますのでお知らせください。
超教派の働きです超教派のキリスト教図書製作をしています。主の恵みを共に喜び、学びや気づきが与えられます。

静岡キリスト教盲人伝道センター広報誌「ホ・ロゴス」第55号 2018年10月発行
発行人:青山昭一郎  印刷:ワークホーム聖恵
発  行:静岡キリスト教盲人伝道センター
〒422-8041 静岡市駿河区中田一丁目5-21
Tel 054-285-0496 Fax 054-285-0746 振替 00870-2-7003
Eメール:shizumouden@dct7.net HP:http://www.dct7.net/
開館時間:祝日等を除く月曜日から金曜日 午前9時~午後5時
ホ・ロゴス(PDFファイル)

ホ・ロゴス2018年10月号―55号

ホ・ロゴス2017年12月‐54号